RTX 50xxの16ピン(12VHPWR)溶解対策:厚接点コネクタで過熱を抑制

Danny Weber

12:35 13-11-2025

© A. Krivonosov

RTX 50xxの16ピン(12VHPWR)コネクタ溶解問題に、接点を厚くした改良品で対処。女性エンジニアが600W負荷で45°C未満を実測し、過熱と偏流を大幅低減。ROG Astral RTX 5090の事例やアダプター時の挙動、メーカーの採用動向まで解説。実測データも掲載。

RTX 50xxのグラフィックスカードで、16ピン(12VHPWR)の電源コネクタが溶ける問題が依然としてユーザーの不安を呼んでいる。ただ、現場で使える打開策が見えてきた。女性の電子機器修理の専門家が、標準のコネクタを接点を厚くした改良品に交換すると過熱が収まることを示している。

彼女によれば、ROG Astral RTX 5090が溶けたコネクタのまま持ち込まれたが、ピンを厚くした新しいコネクタに付け替えると症状は解消したという。600 Wのフル負荷でもコネクタ温度は45°C未満に収まり、一般的な16ピンでは100〜150°Cに達し得る点と比べれば差は歴然だ。長く尾を引いた懸念にしては、拍子抜けするほど単純で理にかなった手だてに見える。

発熱の主因は高い電流密度にある。1接点あたり約9.2 A、合計で55 Aに達するため、どれか1本でも接触が甘いと残りに負荷が偏り、温度が跳ね上がって樹脂が溶けてしまう。接点を厚くすれば抵抗が下がり、嵌合も安定して、過熱リスクを大幅に抑えられる。ハードの小さな見直しが、想像以上の効果をもたらす好例だ。

この専門家は、アダプター経由でも新しい設計は良好に機能したとしつつ、使用自体は推奨しないと付け加えた。これで最終的な解決と断じるのは早いものの、初期結果は心強い。ピンを厚くすることで過熱の危険は確かに下がる。RTX 50xxラインでは16ピン規格が主流のままであるため、GPUメーカーが改良コネクタへの移行を早めることに期待が集まっている。