Danny Weber
07:57 15-11-2025
© A. Krivonosov
Gigabyte RTX 5090 AORUS Stealthを改造し、12V-2×6コネクタ2基+シャント改造で最大808Wを実測。水冷化でGPUは3.2GHz・67℃。サーモグラフィで負荷分散を確認し、保証喪失などの代償も解説。二重コネクタの発熱は均等、共通経路で負荷分配。水枕の取り付け精度がOCの伸びを抑制。
GigabyteのRTX 5090が、またも過激な実験の舞台になった。ある愛好家が、ここ数年、過熱や溶損をめぐる議論の的となってきた12V-2×6電源コネクタを2基同時に使えるようカードを作り替え、ボードがどこまで電力を引き出せるのかを試した。安全側に振るのではなく、あえて負荷を上げる方向に踏み込んだ格好だ。
ベースはGigabyte RTX 5090 AORUS Stealth。電源入力を別位置に配置できる設計を活かし、モッダーのYogimuru氏は2つのコネクタを同時に有効化。さらにシャント改造を施し、電流検出用の抵抗をより低い値に交換した。BIOS上の表示は485Wのままだったが、実測の消費電力は808Wまで上昇したことが確認されている。
コネクタの位置が通常と異なるため、純正クーラーは装着できず、カードはカスタム水冷へ移行。フルロード時のGPU温度は約67℃に達した。水枕のマウントが完璧ではなかった影響で理想より高めに推移し、それが最終的にオーバークロックの伸びを抑える要因になった。それでもGPUは3.2GHzに到達し、この構成としては上位に迫る結果を示している。
サーモグラフィでは2つのコネクタが均等に発熱している様子が見て取れ、共通の電力経路で負荷が対称に分配されていることがうかがえた。実務面では、基板側にそのためのスペースが確保されているため、必要に応じてコネクタを代替位置へ移す修理も可能だと示唆する内容だ。
数値ほどの実パフォーマンス向上は得られなかったものの、示されたポイントは明快だ。RTX 5090は2基の12V-2×6コネクタで駆動まで追い込めるうえ、シャント改造により電力制限を従来の枠を超える水準まで引き上げられる。代償は大きい。重い改造、カスタム水冷、そして保証の喪失――すべてを受け入れて初めて成立する挑戦だ。