RTX Pro 6000のPCIeコネクターが輸送中に破断—交換不可のモジュール設計が招くリスク

Danny Weber

19:23 16-11-2025

© RusPhotoBank

1万ドルのNvidia RTX Pro 6000が輸送中にPCIeコネクター破損。交換用モジュールが提供されず修理不能に。NorthbridgeFixが原因と対策を解説。AIBモデル不在で代替も困難。重量級カードは輸送自体がストレステストとなり、破断回避の最善策は事前の取り外し。RTX5090FEでも類似の破損が報告。

1万ドルのNvidia RTX Pro 6000が、輸送中にモジュール式のPCIeコネクターが折れてしまい、事実上使い物にならなくなった。基板本体とGPUは無事でも、Nvidiaはこのモデル向けの交換部品を提供しておらず、高価な文鎮と化した格好だ。

修理専門家のNorthbridgeFixは自身のYouTubeチャンネルで経緯を解説。カードの自重に耐えきれず、PCIeコネクター用の小基板が真っ二つに割れたRTX Pro 6000を紹介したという。彼は、似た構造を採るRTX 5090 Founders Editionの修理でも同様の破損を見たことがあると述べている。重量級のハードにとって輸送は実質的なストレステストになりがちで、この個体はその試練を乗り切れなかった。移動だけで致命傷になり得る現実は、プロ機材としては厳しい。

問題を深刻化させているのは、Nvidiaが独立した交換用のPCIeモジュールを販売していない点だ。GPUやメインPCBが無事でも、肝心の部品がなければ動作しない。NorthbridgeFixは、交換部品にアクセスできないのに脱着式コネクターを採用した判断を批判し、モジュール設計の理念を損なうと指摘。サービス不能なモジュール化では、利点が活きないという見方は否めない。

さらに、プロ向けのRTX Pro 6000にはGeForce系のようなAIB(パートナー製)モデルが存在せず、ユーザーは別設計に逃げる選択肢もない。最も安全なのは、ワークステーションを運ぶ前にカードを取り外しておくことだ。もし同様の破断が起きれば、1万ドルが丸ごと吹き飛ぶ可能性がある。これだけ重いカードなら、そのひと手間は十分に理にかなっている。