メモリ高騰で低価格GPUに逆風、AMDとNVIDIAが新製品見送りや値上げを検討

Danny Weber

08:02 19-11-2025

© A. Krivonosov

メモリ価格の高騰でVRAM比重が増大。AMDはRX 9000値上げ、NVIDIAも追随の可能性。RTX 5060やRX 9060 XTなど低価格GPUは投入見送り案も。今が妥当な価格で買える最後の数カ月か。データセンターとAI需要が引き金。割安モデルの入手は可能だが、予算重視ゲーミングには逆風が続く。専門家は警鐘を鳴らす。

ゲーマーにとって落ち着かない見通しだ。メモリ価格の高騰で製造コストが想定以上に膨らみ、AMDとNVIDIAが低価格帯のグラフィックスカード投入から一歩引く可能性がある。データセンターやAI企業の過熱した需要が引き金となり、DDR4/DDR5の価格はすでに倍増。いまやその余波がGPUにも及び、とりわけ手頃な価格帯を狙ったモデルが直撃を受けている。

韓国経済新聞によると、VRAMが部材費の中で占める比重がさらに増すようなら、AMDとNVIDIAはエントリー~ミドルレンジの新製品を丸ごと見送る判断も視野に入れているという。俎上に載っているのは、手に届く価格を目指すはずのRX 9060 XT、RTX 5060、RTX 5060 Tiといったモデルだ。

事態を厳しくしているのは、コンシューマー向けRAM以上の勢いでGPU用メモリが値上がりしている点だ。昨日には、AMDがRX 9000シリーズ全体での値上げを準備しているとの報道も浮上した。RTX 50xxシリーズでもNVIDIAが同様の対応に動くとの見立ては自然だろう。ハイエンドなら吸収できても、低価格帯では10~20%の上振れで採算が一気に崩れる。メモリ相場が早々に落ち着かない限り、市場は上位機から先に出す“プレミアム先行”の流れへ傾いていきそうだ。

コスト抑制のため、Asusのようなメーカーは一部モデルでVRAM容量を削る案も協議していると伝えられる。先行きは楽観できない。幅広い層に届く価格のグラフィックスカードが、コロナ禍の頃のように再び希少化する恐れがある。

専門家は、今後数カ月が「妥当な価格」でグラフィックスカードを手に入れる最後の機会になるかもしれないと警鐘を鳴らす。今ならまだ狙い目も残る。たとえば、ASRock Challenger Radeon RX 9070が540ドル、PNY RTX 5070 OCが489ドルといった具合だ。この流れが続くなら、予算重視のゲーミング環境には逆風が強まる。