Pixel 10で実現、AndroidとiPhoneがAirDrop/Quick Shareで双方向ファイル共有

Danny Weber

20:29 21-11-2025

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AndroidとiPhoneがAirDrop経由で直接ファイル共有可能に。まずはPixel 10でQuick Shareが対応し、双方向転送と高いセキュリティ(Rust実装・監査済)を実現。設定更新と再起動で使えます。iPhoneはEveryone for 10 Minutesをオンで検出。NetSPIの監査で安全性を確認。

ついに多くの人が待っていた一歩が実現した。AndroidがAirDrop経由でiPhoneと直接ファイルをやり取りできるようになった。最初に対応するのはPixel 10。モバイルの垣根が少し下がった、と感じさせる動きだ。iPhone側で“Everyone for 10 Minutes”をオンにすると、Quick ShareがAirDropの送信先を検出。受信者一覧にiPhoneが現れ、タップして写真や書類を送ると、iPhone側の承認で転送が完了する。逆方向のやり取りにも対応する。

際立つのは、その自然さだ。いつもの共有と同じ段取りで、隣の人が同じブランドの端末である必要がない。長らくAndroidとiPhoneの間でのファイル移動は厄介だった。メッセンジャーは画質や音質を落とし、サードパーティのツールはもたつき、AirDropはアップルの囲いの中にとどまっていた。この更新は、人々が本当に望むもの――余計な綱引きではなく、シンプルさと実用的な互換性――をはっきり示す。流れも見逃しにくい。iPhoneでのRCSやWhatsAppのマルチデバイス対応を思い出せば十分だ。

セキュリティも正面から手当てされている。転送チャネルは、多くの典型的な脆弱性に強い言語Rustで実装。これにAndroid側のシステム保護やPlay Protectが重なり、iPhone側でもアイソレーションや独自のファイル処理が加わる。さらにGoogleは外部のNetSPIに独立監査を依頼し、実装の安全性が確認されたとしている。

Pixel 10での有効化は簡単だ。設定からQuick Share Extensionモジュールを更新し、端末を再起動するだけ。するとAirDrop対応が自動で現れる。

開発でAppleと協力したわけではないが、今後の連携には前向きだとGoogleは述べている。とりわけAirDropの“Contacts Only”モードを有効にする取り組みには意欲的だという。それが実現すれば、受け渡しはさらに自然になるはずだ。現時点の対応はPixel 10に限られ、他のAndroid端末は後追いになる。それでも一度使えば、もう元には戻りにくい。