Danny Weber
16:51 22-11-2025
© A. Krivonosov
XがPremium+向けに公開したハンドル・マーケットプレイスを詳しく解説。プライオリティ/レアの違い、申請方法、価格帯、維持条件や回収リスク、旧ハンドルを選ぶ判断材料まで網羅します。対象アカウントの活動要件やサインイン頻度、申請は生涯一度きりの制限、一般名詞や短いIDが高額化する背景も解説。詳細も。
XがPremium+加入者向けにハンドルのマーケットプレイスを正式に公開した。スタート直後に見えてきたのは、眠っていたユーザー名に手が届きそうだという期待と、そこまでの道のりが決して平坦ではないという現実だ。マーケットプレイスは掲載を「プライオリティ」と「レア」の2枠に分けている。プライオリティは実名に近いユーザー名を名乗れるようにするための区分とされるが、実際の判定基準ははっきりしない。
月額40ドルのサブスクリプションに入っても、狙いのハンドルが取れるとは限らない。@kbellや@karissaを確認したあるユーザーは、いずれもレア扱いで直接は申請できないと案内されたという。できるのは申請フォームを出し、そのユーザー名を受け取る理由を書き添えることだけだ。
Xは一般名詞やスラング、短いハンドル、価値が高い名前をレア枠に入れている。検索すると、@memelord、@phone、@gr0k、@AIchatといった“お宝”候補も見つかる。ただし、それらは公開ドロップで参加を認められた人、もしくは個別に購入招待を受けた人にしか渡らない。価格は2,500ドルからで、最高で7桁まで跳ね上がる。
一方で、すでに取得可能なプライオリティの中には、遊び心の強いものもある。@six_seven、@elonfarts、@grokfacts、@kbchatなどだ。こうしたハンドルの申請はアカウントの“生涯”で一度きり。文字通りの一発勝負になる。
新しいユーザー名を名乗るには、守るべき条件もある。継続して保持するには、オリジナルの投稿を行い、会話に参加し、活動が見て取れる状態を保ち、少なくとも30日に一度はサインインすることが求められる。そうでなければ、Xがハンドルを回収し、より活動的な人に渡す権利を留保している。利用規約では、ユーザー名はすべてプラットフォームの所有物であり、必要に応じていつでも回収可能だと定められている。
こうした縛りとPremium+の価格を考え合わせると、争奪戦から距離を置き、使い慣れた旧ハンドルのままにしておく人が少なくない。無料で気負いもなく、厳しいルールに縛られない方が、いまのところ肌に合うという判断だろう。