Gemini搭載のAndroid Autoが進化:賢いナビ、メッセージ編集、Gmail連携

Danny Weber

21:45 22-11-2025

© A. Krivonosov

GoogleがAndroid Autoを大幅アップデート。Geminiが自然な会話でナビや目的地検索、メッセージ編集、翻訳、要約を支援。Gmailやカレンダーなどへフル音声アクセス、音楽リクエストやLive with Geminiにも対応。世界配信開始。Gmail、Keep、Samsung Notesに対応。

GoogleがAndroid Autoを大幅にアップデートし、中心に据えられたのはGeminiだ。スマートフォンでGoogleアシスタントからGeminiに切り替えたドライバーは、車内でより賢く、柔軟で、自然に応対するヘルパーを手にする。派手なデモではなく、ナビやメッセージ、ルーティンの操作をスムーズにして運転への集中を妨げないことに軸足を移したのが印象的だ。

目玉はナビゲーション。Geminiは日常の言い回しを理解し、人間らしいリクエストから目的地を引き出す。決まり文句を探る必要はもうない。今開いているカフェ、犬同伴可の場所、ルート上で評判の良いラーメン店はどこか――といった問いかけに応じ、営業時間や評価、人気メニューを踏まえて候補を即座に提示する。面倒な手動検索に割く時間を抑えられる。

移動中の会話体験も見直された。音声入力の最中にメッセージを編集できるため、聞き間違いがあっても最初からやり直す必要はない。到着予定時刻の自動挿入や絵文字の追加、40以上の言語への翻訳にも対応。受信箱が立て込んだときは要点を短くまとめ、素早い返信作成を手助けする。交通のストレスがかかる場面で効く、気の利いたサポートだ。

Android Autoとしては初めて、Gmailなどのアプリにフル音声アクセスが加わった。メールから住所を拾ってマップに送る、最新メッセージの要点を聞く、カレンダーを確認する、メモを作る――といった操作を指示できる。対応アプリはローンチ時点でGoogleカレンダー、Google Keep、Tasksに加え、Samsung NotesとReminder。今後は対象が広がるとされている。

音楽リクエストもより自然になった。雨の日に落ち着いた曲を、長距離ドライブ用のプレイリストを、子ども向けの曲を――と伝えるだけでよく、正確なタイトルを思い出す必要はない。SpotifyやYouTube MusicなどからGeminiが選曲する。さらにLive with Geminiモードも追加。ライブ会話の開始を指示すると、ウェイクワードの繰り返しなしに対話が続き、旅の計画づくりやアイデア出し、スピーキング練習のコーチまで手伝ってくれる。車内で頼れる相棒に近づいた格好だ。

このGeminiアップデートは本日から世界規模で配信が始まる。車載ディスプレイに通知が表示され、音声、マイクボタン、ステアリングのスイッチの長押しからアシスタントを起動できる。