Android AutoにGemini AI登場。ナビ、メッセージ、アプリ操作が一段とスマートに

Danny Weber

22:13 22-11-2025

© A. Krivonosov

GoogleがAndroid Autoを大規模アップデート。音声アシスタントはGemini AIへ。自然言語ナビ、メッセージ編集と翻訳、Gmailやカレンダー等の音声操作、音楽選曲、Live with Geminiで連続対話に対応。Google KeepやTasks、Samsung Notesにも対応。世界で順次提供。

Google は Android Auto に大規模アップデートを展開し、主役は Gemini AI だ。スマホの音声アシスタントを Google アシスタントから Gemini に切り替えると、車内での相棒は明らかに賢く、柔軟で、話しぶりも自然になる。派手なデモではなく、ナビやメッセージ、日常の操作をより滑らかにして注意を本来向けるべき道路に保つことに力点が置かれており、実用本位の姿勢が際立つ。

目玉はナビ。Gemini は日常の話し言葉を理解し、人間らしい頼み方から目的地を引き当てる。ドライバーは正解のコマンドを探さなくていい。今開いているカフェ、犬同伴可の場所、ルート上で評判のラーメンの店を尋ねればいい。AI は営業時間や評価、人気メニューを加味して候補をすぐ提示し、手動検索の手間を省く。ようやく音声ナビが人に寄り添う段階に来た印象だ。

走行中のやり取りも見直された。Gemini は口述しながらメッセージを編集でき、聞き間違い一つで最初からやり直す必要がない。到着予定時刻の自動挿入や絵文字の追加、40以上の言語への翻訳にも対応。受信箱が立て込み始めたら、要点を短くまとめてくれ、すぐ返せる返信づくりまで助ける。こうした細やかな配慮が、交通のストレスを少し軽くしてくれる。

Android Auto では初めて、Gmail などのアプリをフルに音声操作できるようになった。メールから住所を拾って Maps に送る、新着メッセージの要点を読み上げてもらう、カレンダーを確かめる、メモを作る――車内から声で指示できる。対応は開始時点で Google Calendar、Google Keep、Tasks に加え、Samsung Notes と Reminder。今後さらに広がると Google はしている。

音楽のリクエストも自然になった。雨の日に落ち着ける曲、ロングドライブ向けのプレイリスト、子ども向けのナンバー――正確なタイトルを思い出す必要はない。Gemini が Spotify や YouTube Music などのサービスから選曲してくれる。さらに「Live with Gemini」モードも追加。ライブ会話の開始を指示すると、ウェイクワードの繰り返しなしに対話が継続する。旅の計画を詰めたり、アイデアを膨らませたり、スピーキングの練習に付き合うことまで想定され、気軽に話せる相棒に近づいた印象だ。

Android Auto 向けの Gemini アップデートは、きょうから世界で順次提供が始まる。車載ディスプレイに通知が現れ、起動は声かけのほか、マイクのボタンやステアリングのスイッチの長押しでも行える。