Danny Weber
01:14 01-12-2025
© A. Krivonosov
One UI 8.5に隠されたSuper Fast Charging 3.0で、Galaxy S26 Ultraがついに60W有線充電に対応。45Wからの大幅短縮や旧機種非対応の理由、AI制御の可能性まで詳しく解説。サムスンが競合に遅れた充電事情を更新。ベータ配信や正式発表の時期、対応条件もチェック。
サムスンが、充電速度で目に見えるジャンプを準備している。まもなく配信されるOne UI 8.5のファームウェアコードから、新機能「Super Fast Charging 3.0」への記述が見つかり、リーク情報はその初採用がGalaxy S26 Ultraになると示している。要となるのは有線60W対応。S25 Ultraでおなじみの45Wから、数字以上の差が出そうだ。
バッテリー容量が据え置きなら、その余裕分は満充電までの時間を大きく縮めるはずで、待ちわびていたユーザーも多いだろう。競合との比較では、サムスンは否応なく後れを取っていた。XiaomiやOnePlusなどが100W超のソリューションをここ数年当たり前に提供する一方で、同社はプレミアム機で45W、多くのラインアップで25Wを維持してきた。
S26 Ultraは、Galaxyとして初めて45Wの壁を破る見込み。一方で気になる点もある。Super Fast Charging 3.0は旧機種では非対応だ。刷新されたバッテリーセルや放熱強化といった新しいハードウェアに依存しており、60Wで安全に動かすには次期フラッグシップの構成が前提になる。既存モデルでは無理をさせられない、という判断だ。
もう一つの論点は、Super Fast Charging 3.0が純粋にハードの進化なのか、それともソフト面の改良も伴うのかという点だ。もし中身が60W対応というプロトコルの更新にとどまるなら、旧機種のユーザーが何か体感できる可能性は高くない。逆に、AIベースの充電コントローラーを導入するなら、熱や電流の制御をより細かく行うことで、25~45Wの端末でも理屈の上ではわずかに充電時間を削れる余地がある。
現時点の状況からすると、Super Fast Charging 3.0は“誰にでも届く一律の改善”ではなく、充電体験の新章の幕開けと考えるのが妥当だ。One UI 8.5のコードにはすでに組み込まれており、機能はGalaxy S26 Ultraとともにお披露目される見込み。ベータ版に追加される可能性はあるものの、旧機種のサポートはいまのところ検討対象にない。60Wへの移行は待望の前進であり、同時にサムスンの常套手段も映し出す。バッテリーや充電の意味ある進歩は、まず最新かつ最上位のモデルに届き、先代のユーザーは次の波を待つことになる。