エミュレーションなしでPS Oneを極小化:ソニー純正チップで最小PlayStation

Danny Weber

12:31 04-12-2025

© YouTube / Thedrew

モッディング愛好家Thedrewが、エミュレーションやFPGAなしでソニー純正チップだけを用い、PS Oneのマザーボードを73×59mmに再設計。史上最小のPlayStation試作機と今後のRedesign計画を詳報。PS初代発売31周年に合わせ公開、シリーズ化も示唆。純度を重視した実機重視の超小型ビルドの魅力を解説

モッディング愛好家のThedrewが、エミュレーションやFPGAではなく、ソニー純正チップだけを使って、史上最小のPlayStationを実質的に作り上げた。初代PlayStationの発売31周年に合わせて公開されたこのプロジェクトは、すでに技術コミュニティの目を引いている。彼はPS Oneのマザーボードを、元のサイズの4分の1未満にまで小型化することに成功したのだ。

指針は明快だ—オリジナルのハードのみを使う。ThedrewはPS OneのPM-41リビジョンに搭載されたCPU、GPU、SPU、メモリ、BIOSを流用し、それらを中心に超小型の基板を設計した。動作する試作機は驚くほど小さく、本人によれば初回リビジョンの基板はわずか73×59mm。参考までに、クラシック版PlayStationのマザーボードは約10×7インチ、PS Oneは約7.5×5.5インチで、新設計は3×2.5インチ未満に収まっている。

すでに動作は確認済みだが、そこで歩みを止めるつもりはないようだ。デモ動画の最後で、プロトタイプが動いた今後はさらに洗練させていく考えを示唆し、The PS One Redesign Seriesという連作へと発展させる予定をにおわせている。実際、このアプローチは“本物のハード”を中心価値に据えた超小型ビルドの堅実な土台になる。純度を突き詰める姿勢が、仕上がりに独特の魅力を与えているのは確かだ。

31年前、ソニーはPS、PSX、PS1として知られる初の家庭用ゲーム機を発売し、3Dゲームの大衆化に火をつけた。2000年には初代ソフトとの互換性を保った小型版のPS Oneが登場。そして今、ファンコミュニティは次の一歩を踏み出している。エミュレーターなしでは不可能と思われたサイズへと圧縮しつつ、動いているのは紛れもなく当時のチップ――その事実が、この試みの価値を静かに物語っている。