Danny Weber
10:36 08-12-2025
© A. Krivonosov
DRAM価格の高騰を受け、スマホ各社がmicroSDスロット復活を検討。microSD Expressで性能ボトルネックを解消し、内蔵ストレージより安価に容量拡張。2026年後半の機種投入が視野。12GB LPDDR5Xは$33→$70、P9 Express 512GBは$74.99、内蔵増量は最大$200。
DRAM価格の上昇を受け、スマートフォン各社がmicroSDカードスロットの復活を検討している。高額な上位モデルに移行せずとも、ユーザーが自力で容量を増やせるため、出費を抑えやすい。コストが重くのしかかるいま、理にかなった一手だと映る。
かつてmicroSDスロットは、最も手軽で安価な増設手段だった。しかし各社は徐々にこれを手放し、購入者を高価格の構成へ誘導してきた。ところが、DRAMの急騰はMicronのような大手にまでコンシューマー向け分野の縮小を迫るほどで、流れが逆回転し始めている。業界内では、メーカーが再びmicroSDスロットの復活を話し合っているという声が出ている。
発想は単純だ。内蔵ストレージが少ないベースモデルを選び、必要に応じてmicroSDで拡張する。ユーザーは節約でき、ブランド側は利幅を守りやすい。しかも、microSD Expressの新規格が従来の性能ボトルネックに対処している。たとえばSamsungのP9 Express 512GBカードは最大800MB/sの評価で、価格は$74.99。一方で、内蔵ストレージのアップグレードはブランドによっては最大$200に達することもある。
根拠は数字が物語る。Samsungなど大手の社内シグナルではDRAM供給がなお逼迫しており、12GBのLPDDR5Xモジュール価格は$33から$70へ跳ね上がった。端末コストに直結するこの変化が、microSDスロット復活のような実務的な解決策を再び俎上に載せている。
計画どおりに進めば、スロットを戻した最初の機種は2026年後半に登場する見込み。手の届きやすい価格と拡張自在なストレージ、そして現代的なメモリ性能の両立を狙う、という着地点が見えてきた。