小島秀夫が語る『OD』の正体—ホラーを越える実験とXboxクラウドの挑戦

Danny Weber

17:25 09-12-2025

© A. Krivonosov

小島秀夫の新作『OD』は、見た目はホラーでも本質はジャンルを越える実験作。Xboxとのクラウド提携と「Knock」トレーラーの手掛かりから、唯一無二の体験に迫るインタビュー要約。発表の経緯やTGA2023での反響、P.T.との比較、定石を外す設計思想、18歳以上対象の注意点まで、気になる核心をわかりやすく解説。

小島秀夫は、新作「OD」があまりに型破りで、自分でもまだ“成立するか”確信が持てないと明かした。日本のメディアananwebのインタビューで、同作は実験として立ち上がった企画だとし、見た目はホラーに映っても、核にあるのはジャンルの外へ踏み出す発想だと語っている。

「OD」は2022年のXbox Showcaseに、名称未定のプロジェクトとして初登場。クラウド技術を核に据えたKojima ProductionsとXboxの提携と結び付けられた。その後しばらく沈黙が続き、輪郭がはっきりしたのはThe Game Awards 2023で正式発表されてからだ。続いて公開された「OD-Knock」トレーラーは、打ち消しようのない緊張感と心理的な圧を漂わせ、キャンセルされた「P.T.」を思い出したという声もあったが、ゲームとしてどう遊ばせるのかはあえて伏せられたままだった。

今回も核心を明かすことは避けつつ、興味を一段とかき立てた。小島は、ODをいまだに一言で定義できないと強調し、このアイデアが本当に形になるか自信がないとも率直に述べている。予告編だけ見れば“直球ホラー”に見えるかもしれないが、実際には前例のない体験になり、一般的なホラーの定石とは一線を画すという見方だ。

さらに「メタルギア」や「デス・ストランディング」との違いも線引きした。これらのヒット作がどれほど独創的であっても、親しみのあるゲームシステムに依拠していたのに対し、ODはそもそもの“形”の捉え方から再設計しようとしていると語る。また、「Knock」トレーラーには作品の作動原理を示す手掛かりが詰め込まれているとも示し、細部に目を凝らせば答えに近づけると伝えている。

もしODがその“唯一無二の体験”として結実するなら、ホラーという土俵で再びルールを書き換える試みになる。賭け金は高く、リスクも大きい——それでも挑む価値があると感じさせるところに、ODが今もっとも謎めき、そして大きな話題をさらい得る存在として注目を集める理由がある。

18歳以上対象。