SailfishOS搭載「Jolla Phone」登場:着脱式バッテリー、microSD、Androidアプリ対応

Danny Weber

10:53 10-12-2025

© Jolla

フィンランドのJollaがSailfishOS搭載「Jolla Phone」を発表。Androidアプリ対応、着脱式バッテリーやmicroSD、通知LED、プライバシースイッチを装備。5G対応、12GB/256GB。予約は99ユーロのデポで549ユーロから。6.36インチ有機EL、50MP+13MPカメラも搭載。

フィンランドのJollaが、新型「Jolla Phone」を正式発表した。microSDスロット、通知用LED、ハードウェアのプライバシースイッチ、着脱式バッテリー――現行スマホではほぼ姿を消した要素をそろえた一台だ。とはいえ最大の違いは別にある。Androidを載せず、Linuxベースの独自OS「SailfishOS」を採用した点だ。NokiaのMeeGoを継ぐ“精神的後継”として位置づけている。この選択は、いまのスマホに不足しがちな要素を正面から拾い上げた印象だ。

Jollaは主要プラットフォームとしてのAndroidから距離を置いたものの、端末はAndroidアプリを実行できる。同社によれば、SailfishOSはGoogleのサービスに依存せず、隠れた解析データを収集せず、ユーザーアカウントなしで使えるという。出荷時の「SailfishOS 5」では、Android 13までのアプリ互換性の向上、刷新されたブラウザー、設定やセキュリティ機能の拡充が盛り込まれた。

ハード面では、5G対応のMediaTek製チップセット(型番は非公表)、6.36インチのFHD+有機ELディスプレイ、12GBメモリ、256GBストレージ、そしてユーザー自身で交換できる5,500mAhバッテリーを搭載。カメラは50MPのメインと13MPの超広角という構成だ。スペックだけを追うより、使い勝手に効く部分へリソースを割いた設計にも見える。

着脱式バッテリーやmicroSDスロット、通知LEDまで備える構成は、いまでは稀少と言っていい。関心の高まりも数字に表れた。予約開始前の段階で、最低目標の2,000台を上回り、合計2,500件の予約登録に達したという。すでに第2フェーズの事前予約も始まっており、注文には99ユーロのデポジットが必要で、最終価格549ユーロ(約639ドル)から差し引かれる。現在の市場環境を踏まえると、この反応は所有者に主導権を取り戻させる端末への確かな欲求を物語る。

SailfishOSを試すために新しいハードを買うのは早い、という人には別の道もある。Jollaは、このOSを一部のSony Xperiaモデルにインストールして使えると案内している。