Omnivisionの単一チップLCOSがARグラスの電力と画質を両立

Danny Weber

08:08 18-12-2025

© Omnivision

OmnivisionがARグラス向けに単一チップLCOSディスプレイを発表。1632×1536・最大90Hz・0.26インチで高画質と省電力を実現。電池もちの課題を緩和し、実用的なスマートグラス開発を後押しします。大手各社の採用を見据え、ポストスマホ時代のARグラス普及を後押し。期待が高まります。

Omnivisionが、ARグラスの分野に転機をもたらし得る新技術を発表した。画像のキメを高めつつ消費電力も抑える――スマートグラスの足かせだった二つの課題を同時に狙った、業界初の単一チップLCOSディスプレイだ。

Liquid Crystal on Silicon(LCOS)方式を採用し、必要な機能を一枚のチップに統合。解像度は1632×1536、リフレッシュレートは最大90Hz。光学モジュールのサイズはわずか0.26インチに収まる。複数部品で構成する従来設計に比べ、単一チップ化によって細部表現を保ちながら電力消費を抑えられるという。

AR市場にとって、この差は大きい。AppleやGoogle、Samsungといった大手は“ポスト・スマホ”を見据える一方で、電池もちの壁に何度も突き当たってきた。Omnivisionは、この新ディスプレイが今後、パートナー各社による実用的で省電力なARグラスの開発を後押しすると見ている。こうしたパネルが主流になれば、最大のボトルネック――充電と充電のあいだに画面がもつ時間の短さ――の解消に一歩近づくだろう。大風呂敷ではなく足元を固める一手。今この分野に必要なのは、まさにこうした現実解だ。