Danny Weber
16:14 20-12-2025
© FiiO
FiiOの新DAP「Snowsky Disc」を詳しく解説。レトロデザインにデュアルDAC、2TB MicroSD、LDAC、3.5/4.4mm、USB DAC、Wi‑Fi/AirPlay対応。12時間駆動で約80ドルの高コスパ。丸形タッチ画面やレトロ風エフェクトも搭載、ローカル派にもストリーミング派にも最適。
FiiOが、レトロ志向のラインナップ(Echo MiniとNanoに続く)に新顔のポータブルプレーヤー「Snowsky Disc」を加えた。懐かしさのあるルックに最新のオーディオ技術を重ね、余計な機能にお金を払わずに良い音を楽しみたい層に狙いを定める。やるべきことにだけ集中した、筋の通った一台だ。
中核にはデュアルDAC構成を採用。フォーマットをまたいでも、澄んだ自然な再生を目指してチューニングされている。感度の高いIEM(インイヤーモニター)からフルサイズのヘッドホンまで無理なく駆動し、きめ細かく厚みのある鳴りを志向する。丸形のタッチスクリーンは往年のCDプレーヤーを思わせつつ、現代的な操作性を担い、ジャケット表示や歌詞表示にも対応する。
記憶媒体は最大2TBのMicroSDに対応。ローカルに約8,000枚のアルバムを収められる計算だ。ストリーミングより自分のライブラリを手元に置きたい人にはうれしい仕様で、とはいえWi‑FiやAirPlayでネットワーク経由の再生も可能だ。インターフェースはあえて簡素にまとめ、聴く行為の邪魔をしない――この割り切りは今の市場ではむしろ新鮮に映る。
接続は素直で、3.5mmと4.4mmの有線出力に加え、BluetoothはLDACに対応。USB DACとしての利用や、USBおよびSPDIFでのデジタル出力もこなし、ホームオーディオ環境にもきちんと収まる。仕上げに、往年のオーディオ機器に着想を得たレトロ風のサウンドエフェクトも用意。テーマ性に遊び心を添える存在だ。
内蔵バッテリーは連続再生でおよそ12時間。長距離移動やトレーニングにも十分だ。発売は1月を予定し、価格は約80ドルまたは80ポンド。エントリー向けの中でも手に取りやすく、用途の幅も広い一台として位置づけられ、初めての人にも、聴き慣れた耳にも届くレンジに収まっている。