中国Moore Threads、Flower Harborで次世代GPUを発表—ゲーム用LushanとAI用Huashan

Danny Weber

00:54 21-12-2025

© A. Krivonosov

中国のMoore ThreadsがMUSA 2025で新アーキテクチャFlower Harborを発表。ゲーム向けLushanはDirectX 12 Ultimate対応で最大15倍、RT最大50倍。AI向けHuashanは計算性能と帯域を強化し、NVIDIAに挑む。初搭載カードは2026年予定。詳しい解説付き。

中国のMoore Threadsは、来年の市場投入を見据えた新世代グラフィックスプロセッサを発表しました。発表の舞台はMUSA 2025。そこで同社は基盤となる新アーキテクチャFlower Harborを披露し、ゲーム向けのLushanとAI向けのHuashanという2つの製品ファミリーを打ち出しています。

ゲーム分野では、Lushanが現行のコンシューマーGPUの後継となり、大幅な性能向上をうたいます。同社によれば、最新タイトルで最大15倍のスピードアップが見込め、レイトレーシングのスループットは最大50倍に達し得るとのこと。初めてDirectX 12 Ultimateをフルサポートすることも大きな一歩で、現代的なゲームやグラフィックス機能との相性がぐっと良くなるはずです。数値が実機で裏付けられれば、ゲーマーの視線は確実に変わり、ブランドの受け止められ方にも影響が出てきそうです。

プロ用途やAI向けにはHuashanアクセラレータを用意。スケーラブルな計算に合わせて設計され、大規模クラスタでの運用を想定しており、NVIDIAのデータセンター向け製品と真正面から競う立ち位置を狙います。現行モデルと比べて計算性能とメモリ帯域を大きく引き上げ、搭載ビデオメモリも大幅に増えると説明しています。用途の広がりを見据えた構成で、選択肢としての厚みは明らかに増すでしょう。

同社は、新アーキテクチャが効率と計算密度の両面で大きく改善され、電力の増加に比例しない高性能を引き出せると強調します。LushanとHuashanを採用した最初のグラフィックスカードは2026年に登場する見込みで、ゲームとAIアクセラレータの世界市場に挑む同社にとって、これまでで最も野心的な試みになりそうです。