Danny Weber
11:53 21-12-2025
© A. Krivonosov
メモリ価格高騰と供給逼迫で、GeForce RTX 5060 Ti 16GBが一時的に生産停止との噂。128ビット×GDDR7を8枚実装のコストが重く、パートナーは5060/8GB版やRTX 5070へ軸足を移す可能性も。8GB版は4枚、12GBのRTX 5070は6枚構成。ミドルレンジの設計と価格帯の整理にも影響。
メモリ16GB構成のGeForce RTX 5060 Tiが、一時的に生産を止める可能性があるという噂が持ち上がっている。サプライチェーン筋の話では、引き金はメモリチップの価格急騰と供給の引き締まり。とりわけ大容量VRAMのモデルほど圧力が強く、部材コストの振れがミドルレンジのSKUの成否を左右する領域だけに、筋の通った見立てに思える。
伝えられるところでは、16GB版RTX 5060 Tiの立ち上げは採算が合いにくくなっている。128ビットバスで16GBを実装するには、基板の表裏に計8枚のGDDR7を載せる必要がある。より高価なカードと大差ない枚数になる一方で、RTX 5060クラスは厳しいコスト上限を前提に設計される。比較として、8GB版RTX 5060 Tiは4枚、12GB版RTX 5070は6枚のチップ構成だ。
代替策として、NVIDIAのパートナー各社はGeForce RTX 5060や8GB版RTX 5060 Tiを主軸に据え、より多いVRAMを求めるユーザーはRTX 5070へ誘導する方向に傾く可能性がある。こうした整理は、ミドルレンジ内での価格や性能の重なりを抑え、コスト上昇局面でも製品の立ち位置をすっきりさせる。16GBを無理に予算重視の設計へ押し込まないことで、自然で分かりやすいステップアップの導線も描ける。