Danny Weber
00:53 26-12-2025
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Samsungがモバイル向けシリコンの自立へ前進。Exynos 2800で独自GPUを初搭載し、2027年に外部GPU依存を解消へ。AMD RDNAベースのXclipseからの転換と将来のAI・車載展開まで解説。スマートフォンやスマートグラス、ロボティクスへの応用、端末レベルの最適化戦略もチェック。
Samsungが、モバイル向けシリコンの自立に向けて大きく踏み出そうとしている。The Korea Economic Dailyによれば、同社は独自GPUの開発を加速し、早ければ2027年にも外部製GPUの採用を段階的にやめる計画だ。完全自社製のグラフィックスを最初に搭載する見込みなのはExynos 2800。エクシノスの構成要素をより自社で握るという明確なメッセージになる。
現在、サムスンのミドルレンジやフラッグシップ向けのモバイルプロセッサは、AMDのRDNAアーキテクチャを基にしたXclipseグラフィックスに依存している。ここを自社のGPU IPに切り替えれば、パートナーへの依存を抑えつつ、機能やパフォーマンス、端末レベルの最適化まで自由度が大きく広がる。狙いは読み取りやすい。グラフィックスを自前で細かく掌握できれば、同社のハードウェアの優先順位に合わせてシリコンを磨き込む道筋が、よりすっきりと見えてくる。
このGPU開発は、同社にとって長期の戦略だ。まずはスマートフォンで立ち上げ、その後はスマートグラスやロボティクス、車載システムなどの専用機器へ広げていく計画とされる。時間をかけて、AIアクセラレータや専用ASICへの応用も視野に入れている。ロードマップがその通りに進めば、ここ数年のエクシノスのエコシステムで最も大きな変化の一つとして位置づけられるだろう。まずはスマホで確かめ、技術の手応えが固まった段階でスケールさせる――そんな運びの丁寧さもうかがえる。