Danny Weber
04:33 27-12-2025
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Ryzen 9 9950X3D2の初期ベンチを解説。Zen 5の16コア32スレッド、TDP最大200W、192MB 3D V-Cacheの効果をPassMark/Geekbenchで比較検証。9950X3Dとの差やゲーム性能を展望。
AMDの新フラッグシップRyzen 9 9950X3D2の初期テスト結果がオンラインに姿を見せた。リークによればキャッシュ容量は192MBに達し、メインストリーム向けデスクトップCPUとしては屈指の大容量になる可能性がある。
PassMarkとGeekbenchのデータが示すところでは、Ryzen 9 9950X3D2はZen 5ベースの16コア32スレッドで、TDPは最大200W。ベースクロックは4.3GHz、ブーストは5.6GHzと、Ryzen 9 9950X3Dよりわずかに控えめだ。最大の変更点は、拡張キャッシュを備えたX3Dダイを2基フルに搭載したこと。合計キャッシュは192MBに達する。
合成ベンチマークでは、パフォーマンスはRyzen 9 9950X3Dに肉薄する。PassMarkでは約7万1500点を記録し、現行のX3D版をわずかに上回り、無印のRyzen 9 9950Xを明確に引き離した。Geekbench 6でもシングル/マルチともに近い結果が並ぶ。クロックがやや低いことを踏まえると、数字の並びは納得感がある。
もっとも、拡張されたキャッシュの真価が出るのは一般的な生産性アプリではなく、メモリレイテンシに敏感なゲームや特定の処理だろう。2基目のダイに追加された64MBの3D V-Cacheが、X3D系が強みを見せてきた場面で差を生む可能性がある。
Ryzen 9 9950X3D2はまだ店頭には登場しておらず、初期ベンチの扱いには慎重さが要る。AMDはCESで刷新版のRyzen 9000X3Dラインアップを正式発表すると見込まれており、その際に市場投入の見通しも見えてくるはずだ。それまでは、これらの数字は結論というより、期待を膨らませる予告編と受け止めたい。