Project Canisで甦る携帯型プレイステーション、PS6世代の戦略とスペック予想

Danny Weber

19:13 27-12-2025

© RusPhotoBank

ソニーが携帯型プレイステーションに本格復帰。Project CanisはPS6と連動し、AMD RDNA5採用、1080p携帯/1440pドック、PSSR 2対応。省電力重視のモバイルファースト戦略や発表時期予測(2027〜2028)を詳報。Switch 2やSteam Deck、Xbox携帯機の噂と競争環境も解説。

ソニーが携帯型ゲーム機市場に本格復帰する構えだ。今回は相棒的なアクセサリーではなく、単体で完結するゲーム機として。リーク情報によると、Project Canis(プロジェクト・カニス)のコードネームで進む新機種は、PS6と歩調を合わせて登場し得る携帯型プレイステーションとされる。PlayStation Portalのようなストリーミング前提の端末ではなく、タイトルをネイティブに動かせる“据え置き級”のコンソールという位置づけだ。

焦点は戦略の転換にある。プレイヤーがテレビの前に縛られたがらない現実をソニーは直視しており、Nintendo SwitchやSteam Deckの成功が携帯ゲームの主流化を物語っている。新型は脇役ではなく、次世代プレイステーションのエコシステムを成す中核の一つとして検討されているという。ユーザーをソニーのプラットフォームに留めつつ、場所を問わず遊ばせる――狙いは明快だろう。

その気配はソフトウェア面にもにじむ。開発者の話では、ソニーが新たな省電力モードへの対応を強く求め、変更は旧型のPS5開発機にまで反映され始めているという。事情に通じた関係者は、これは環境目標の達成よりも、バッテリー駆動機に不可欠な低消費電力下でゲームを動かす準備だと受け止めている。優先順位が“モバイルファースト”へ傾いているように映る。

噂では、AMDのカスタムチップ(RDNA 5ベース)を採用し、低消費電力で高いパフォーマンスを狙う構成になるとされる。携帯モードでは1080pでのプレイを目標にし、USB‑Cドック接続時には1440pで快適に遊べる水準へスケールアップする可能性が語られている。画質はPSSR 2のAIアップスケーリングに託し、ゲーム内容を削らずに体験を保つ目論見だ。

もし実現すれば、ソニーは据え置きのPS6と、より幅広い層に届くハイブリッド携帯機の二正面を同時に押さえられる。Switch 2の登場が近いとされ、Xbox携帯機の噂も続く中、この市場で傍観を決め込むのは難しい。現在の観測では2027〜2028年のお披露目が取り沙汰されているが、“未来の携帯型プレイステーション”に向けた下ごしらえは、すでに始まっているようだ。