Danny Weber
06:57 28-12-2025
© A. Krivonosov
グラフィックスカード市場でAMDとNVIDIAが価格引き上げを準備。2026年初頭より段階的に実施され、AIBモデルやRTX 50シリーズにも波及。DRAM/VRAMなどメモリー高騰が主因。購入時期の判断材料に。調達コスト上昇で推奨価格超えの可能性も。自作PCのアップグレード計画や買い時を見直すための最新動向を解説。
グラフィックスカード市場は、早ければ2026年初頭にも新たな値上げの波に直面しそうだ。複数の情報筋によれば、AMDとNVIDIAがGPUの価格引き上げを準備しており、その上げ幅は数カ月にわたって段階的に適用される可能性がある。つい先日まで噂話に聞こえた話が、いまや時期と中身が見えてきた。
先陣を切るのは1月のAMDと見られる。同社の新ラインアップはようやく想定価格帯に近づいていたが、その均衡はすぐ崩れかねない。年明け早々にも、パートナー各社のAIBモデルが値上がりし、その後も追い上げが続く見通しだ。NVIDIAも同様の報告では2月から動く計画とされ、すでに一部ブランドは12月に小幅な見直しを入れている。
主因はメモリーコストだ。GPUとビデオメモリーを合わせると、ボードパートナーの原価の最大8割を占める。ここ数カ月でDRAMとVRAMの価格が数倍に跳ね上がり、DDR5を含む各種メモリーが軒並み高騰するなか、価格を据え置くのは難しくなる。その圧力は最終的にレジの値段にそのまま乗ってくる。
形式上、価格設定の判断はAMDとNVIDIAのパートナーに委ねられているが、調達コストが上がる局面では打つ手は限られる。すでに割高なRTX 50シリーズのモデルが出始めており、フラッグシップでは、いずれ推奨価格の何倍もの値付けに至る可能性もある。
この見立てが当たれば、2026年はGPU購入者にとって久々に厳しい一年になりそうだ。値上げは穏やかに見えても持続的で、PCのアップグレードが日常の保守というより“奮発”に感じられる程度にはなるだろう。