サムスンのExynos Auto V720がBMW新型iX3に採用へ—5nm車載チップでインフォテインメントとセンサー処理を強化

Danny Weber

11:55 31-12-2025

© RusPhotoBank

サムスンは車載向けExynos Auto V720をBMW新型iX3に供給予定。5nmプロセスで安定性と処理性能を高め、インフォテインメントやセンサー連携を強化。AudiやVW採用実績も解説。先代V920やRDNA2ベースGPU、Samsung SystemLSIとFoundryの体制、次世代コックピットで役割紹介。

サムスンが自動車分野への攻勢を一段と強めている。韓国のChosun Bizによれば、BMWの今後の電動モデルにExynos Auto V720チップが採用される見込みだ。対象は次世代プラットフォームを初めて用いる新型として登場する予定のBMW iX3で、車載コンピューティングが新型EVの立ち上げにおいていかに中心的な要素になったかを物語る判断と言える。

スマートフォン向けExynosは発熱や性能のばらつきで批判を受ける場面もあったが、自動車向けは別路線だ。サムスンはここ数年、安定性や充実したインフォテインメント、センサーからのデータ処理を最優先した車載専用ソリューションを磨いてきた。こうした方向性は、機能が高度化するコックピットの要件と噛み合っている。

報道ベースではExynos Auto V720は5nmプロセスで製造されるとされる一方、同社はこのチップをまだ正式発表していない。先代のExynos Auto V920も5nm採用で、10コアCPUにAMDのRDNA2アーキテクチャに基づくXclipseグラフィックスを組み合わせる。こちらは将来のBMW 7シリーズ向けに計画されている。

Exynos Autoプロセッサは、車両のインフォテインメントや情報システムを司り、ナビゲーションやメディア再生、カメラや各種センサーと連動する機能を支える。設計はサムスンのSamsung System LSIが手がけ、製造はSamsung Foundryが担う。

サムスンはすでに主要メーカーと組んできた。Exynos Autoは2019年からAudiに、2023年からはフォルクスワーゲンやヒョンデのモデルにも搭載されている。ここにBMWが加わることで、車載エレクトロニクスでの存在感はさらに無視できないものになりつつある。