Danny Weber
12:23 05-01-2026
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MediaTekがモバイルSoCからAI向けASICへ注力を移行。GoogleのTPU v7「Ironwood」でI/Oを担当し、2026年量産・27〜28年に大量出荷見込み。SerDes強化やDimensityの2nm計画も解説。売上見通しやパートナー拡大、112G/224G対応の開発状況まで解説。
MediaTekが製品の優先順位を組み替え、モバイル向けプロセッサから専用AIアクセラレータへと軸足を移しつつある。台湾のCTEEによれば、同社はモバイルSoC部門の人員やリソースをAI向けASICや車載チップへ振り向け始めたという。成長余地が大きく、競合の圧力が比較的弱い領域だ。市場環境を踏まえれば理にかなう動きだ。
この転換は、Googleとの協業にも色濃く表れている。MediaTekはTPU v7「Ironwood」の開発に参加し、I/Oモジュールを担当。Googleがこれまで主にBroadcomと進めてきた体制から一歩踏み出した格好だ。同社は今後も連携を深める構えで、新TPUは2026年第3四半期に量産開始、出荷は2027年に最大500万個、2028年には700万個に達する可能性がある。
こうした規模を支えるため、MediaTekは生産体制を拡張し、ASIC事業の専任チームを立ち上げている。同社は独自のSerDes技術を強みとして挙げ、プロセッサとメモリを高速かつ省電力で接続できる点をアピール。4nmプロセスで112Gbit/sのSerDesをすでに運用しており、データセンターや先端パッケージングを狙った224Gbit/s版も開発中だ。
ASIC関連の売上は2026年に約10億ドル、2027年には数十億ドル規模へと伸ばす見込み。Googleにとどまらず、パートナーの裾野を広げようとしている。業界内では、AIを成長の主軸とするビジネスモデルへの構造転換だ、との見方が出ている。過度な誇張には聞こえない。
とはいえ、現時点でDimensityシリーズの競争力は健在だ。今後のフラッグシップはTSMCの2nmプロセスへ移行する予定で、存在感を保つ余地は大きい。ただし、開発リソースの再配分が進むなか、AppleやQualcommがペースを握る市場で、モバイル向けの先行開発をどこまで維持できるのか――この問いは残る。