AppleとGoogleのAI提携の実像:Geminiは学習基盤、Siriやプライバシーは従来通り

Danny Weber

02:29 14-01-2026

© E. Vartanyan

AppleとGoogleがAIで協業。Apple IntelligenceはGeminiとGoogle Cloudを学習基盤に活用しつつ、Siriや処理はApple独自でプライバシーを維持。年間約10億ドル支払いとの報道も。主導権はAppleが保持。通常利用でGoogleとデータ共有なし。プライバシー重視の姿勢明確化。

AppleはGoogleとApple Intelligenceの開発で協業していることを正式に認めた。ただ、その中身はネット上の初期反応が想像したほど派手ではない。Siriの置き換えでもなければ、日常的にiPhoneへGoogleのGeminiを縫い込む話でもない。合意はAIの学習基盤に位置づけられ、ユーザー体験には手を触れない。消費者向けの大転換というより、実務的なインフラ整備に近いとの印象だ。

今後のApple Foundation Modelsは、学習の土台としてGeminiモデルとGoogleのクラウドインフラを用いるという。一方で、Gemini自体がAppleデバイス上で動作したり、iOSの一部になったりすることはない。Apple Intelligenceは引き続きApple独自の技術に依存し、処理はデバイス上のローカルかPrivate Cloud Compute経由で行い、現行のプライバシー基準は維持される。

得られている情報によれば、Appleは複数のAIプラットフォームを比較検討した末、巨大モデルの学習基盤として成熟度と拡張性に優れるとしてGeminiを選んだとされる。噂では、このライセンスとインフラ利用の対価としてAppleがGoogleに年間約10億ドルを支払っているという。あわせて、AIシステムの実装方法についての主導権はAppleが握り、通常の端末利用においてユーザーデータがGoogleと共有されることはないと強調されている。

公の場で最も懸念が集まったのは、SiriがGoogle技術で動き出すのではないか、あるいは個人情報が第三者のサーバーへ流れるのではないかという点だった。これについてAppleとGoogleは、それは起きないとそれぞれ説明している。SiriとApple Intelligenceは、今後もAppleの管理下にあるApple Foundation Modelsとインフラのみに依拠するという立場だ。

業界内では、この提携は当面の戦略的な一手とみる受け止めがある。Appleがすでに兆単位のパラメータを持つ独自モデルを開発中で、リリースは2027年ごろになるとの噂もある。仮にその節目を越えた後でも、学習過程の指標やもう一つの目としてGeminiが有用であり続ける可能性はある――かつてAppleがApple Mapsを立ち上げる前にGoogle Mapsに頼っていた時期があったのと似た構図だ。ユーザーから見える景色は単純だ。Apple IntelligenceはあくまでAppleのプロダクトであり、プライバシーとエコシステムへの深い統合が主役である。