Danny Weber
IMECの最新ロードマップによると、1nm未満の半導体プロセス技術は2034年以降の登場となり、CFET(相補型電界効果トランジスタ)が鍵を握ります。ムーアの法則は継続するも、進歩のテンポは鈍化。A7(0.7nm)からA2(0.2nm)への微細化と、2D FETの可能性も展望。最新技術の全容とは?
IMECが発表した最新のロードマップによれば、1nm未満のプロセス技術の実用化は早くとも2034年以降になる見込みです。2020年代から2040年代にかけてのロジックチップ開発の見通しをみると、ムーアの法則はまだ命脈を保っているものの、進歩のテンポは過去に比べて明らかに鈍化していると同研究機関は指摘しています。
目先の焦点は、ナノシート型のゲート・オール・アラウンド(GAA)トランジスタに置かれています。最初の大きな節目となるのが2nmの「N2」ノードです。さらにその先には、A14やA10といったオングストローム(Å)世代のノードの姿も見え始めています。大切なのは、これらのマイルストーンが技術的な準備が整う時期を示しているに過ぎず、製品の出荷時期を意味するわけではないという点です。
製造プロセスが1nmの壁を越えるのは、2034年頃と見込まれています。その扉を開くのがCFET(相補型電界効果トランジスタ)で、pチャネルとnチャネルを縦に積層する構造が最大のポイントです。この新世代の最初のノードは「A7(0.7nm)」で、2036年前後にA5、2040年にA3へと進化していく計画です。
さらに視線を先に送ると、2040年代には新素材を用いた2D FETトランジスタが姿を現すかもしれません。IMECは、この技術が2043年頃にA2ノード(0.2nm)の土台となり、2046年までには0.2nm未満のさらなる微細化もあり得ると見ています。ただし、遠い未来の見通しは推測の域を出ず、状況によって書き換えられる性質のものです。
トランジスタの新設計だけで進化を続けられるわけではない、という点は言うまでもありません。IMECは、2.5Dや3Dのパッケージング、チップレット技術、先進的な配線材料、電圧レギュレータの統合、よりスマートな電力供給といった要素の重要性が増していると強調しています。これらを総合することで、次世代のAIアクセラレータや高性能コンピューティング(HPC)システム、未来のプロセッサが飛躍的に進化すると期待されているのです。
© D. Novikov