Danny Weber
サムスンがスマートフォン向けにHBMメモリを最適化。FOWLPパッケージング技術と新しい垂直積層設計を採用し、データ転送速度を約30%向上させた。これにより、画像生成や音声アシスタントなどのオンデバイスAI処理が高速化する。次期Exynos 2800/2900に搭載される可能性があるが、コスト課題も残る。
サムスンがスマートフォンやタブレット向けに新しいメモリ技術を開発している。オンデバイスAIの性能を大幅に引き上げる狙いだ。焦点となっているのは、高速HBMメモリ。現状では主にサーバーや強力なAIアクセラレーター向けだが、これをモバイルに応用しようとしている。
従来のHBMは、スペース、冷却、電力の面でモバイルには不向きだった。そこでサムスンは、HBMをモバイル向けに最適化。最新のモバイルプロセッサでも採用されているFOWLP(Fan-Out Wafer Level Packaging)と呼ばれる高度なパッケージング技術を活用するという。
最大の課題は、温度上昇や消費電力の増加を抑えつつ、高いメモリ帯域幅を実現することだ。サムスンは極薄の銅柱を使った新しい垂直積層設計を開発中。関係者によれば、接続密度を大幅に高め、データ転送速度を約30%向上させたという。
HBM技術により、スマートフォン上でのローカルAI処理が飛躍的に高速化する。画像生成や音声アシスタント、複雑な動画・テキスト処理まで、クラウドに頼らずに実行できるようになる。
このメモリを最初に搭載するのは、次期Exynos 2800、またはその後のExynos 2900になる可能性があるとみられる。アップルやファーウェイも同様の技術を探っているとの情報もある。
ただし、スマートフォンへのHBM搭載が大量に普及するには、まだコスト面のハードルがある。モバイルDRAMの価格は上昇傾向にあり、メーカーが消費者向け製品に採用するには慎重にならざるを得ない。
© RusPhotoBank