TSMC元上級副総裁Lo氏のインテル移籍と2nm資料疑惑、18A/A16の主導権争い
TSMCの元上級副総裁Lo氏がインテルへ電撃移籍。2nmやA16/A14の社内資料持ち出し疑惑で調査継続、18A量産・14A計画と並走。21年以上在籍し特許1500件超、NDAや台湾の営業秘密法適用の可能性、歩留まり改善への影響まで解説。創業者モリス・チャンの腹心として知られた経歴や、監視強化と法的複雑化の行方も。
TSMCの元上級副総裁Lo氏がインテルへ電撃移籍。2nmやA16/A14の社内資料持ち出し疑惑で調査継続、18A量産・14A計画と並走。21年以上在籍し特許1500件超、NDAや台湾の営業秘密法適用の可能性、歩留まり改善への影響まで解説。創業者モリス・チャンの腹心として知られた経歴や、監視強化と法的複雑化の行方も。
© D. Novikov
TSMCの元上級副総裁、Wei-Jen Lo氏が電撃的にインテルへ移籍し、この人事は今年屈指の注目案件となっている。自由時報を引用して、TrendForceは、Lo氏が10月下旬に研究開発担当副社長に就任したと伝えた。とはいえ、より大きな反響を呼んだのは、TSMC退社直前に、2nmから今後のA16やA14に至る主要プロセスノードに関する社内資料の写しを請求し、受け取っていたとの指摘だ。
一見すると、その種の請求は彼の職位なら日常的にあり得る。だがTSMCは現在、社内調査を進めている。台湾メディアは、疑いが裏付けられれば、商業技術を保護する国内法の適用対象になり得ると報じる。これは同社の2nm案件に絡む2度目の潜在的な不正となる可能性があり、8月にはTSMCのエンジニア3人が重要データの窃取で起訴され、最長14年の禁錮刑に直面している。
こうした背景の下で、Lo氏のインテル行きは否応なく疑問を増やす。TSMCでの21年超の在籍中、彼は1500件以上の特許に寄与し、創業者モリス・チャン氏の信任も厚かった。通常の定年を大きく超える75歳まで要職にとどまった人物でもある。今後はインテルで先端装置の開発と立ち上げを統括し、歩留まり改善にも取り組む見通しだ。プロセス主導権をめぐる争点に直結する領域だけに、その存在感は小さくない。
焦点の一つは、通例の18カ月の秘密保持契約が今回適用されていたのかどうかだ。署名していなかった可能性を示唆する声もあり、敏感な移籍は一段と法的に複雑な様相を帯びる。さらにタイミングも重なる。インテルは18Aプロセスの量産移行を進め、2027年までに14Aを狙う。一方、TSMCは2026年後半のA16投入を準備中だ。不正の認定が仮に一切なくとも、プロセスのノウハウと歩留まりの巧拙が過大な重みを持つ市場では、この並走が監視の目を確実に厳しくする。