光ベースコンピューティング技術で超高速プロセッサー開発が進展

科学者たちは、10テラヘルツ以上、つまり1万ギガヘルツを超え、現在のプロセッサーの千倍以上の速度で動作する光ベースのコンピューティング技術を実証し、超高速コンピューター開発に向けて重要な一歩を踏み出した。この研究成果は、学術誌『Nature Photonics』に掲載された。

従来のチップがトランジスタを通じて電荷を移動させることで情報を処理するのに対し、この新手法では超短レーザーパルスを用いて論理演算を行う。このアプローチにより、研究者は現在の性能向上を制約している電子デバイスの物理的限界を回避できる。

実験の鍵となったのは、原子3層分という極薄の二次元材料である二硫化タングステンだ。この材料では、電子が「バレー」と呼ばれる2つの異なる量子状態を取り得る。これらは従来の0と1に相当するものとして機能する。研究者は、1兆分の1秒単位の短い光の連続パルスを用いてこれらの状態を制御し、前例のない速度で情報状態の切り替え、停止、変更を可能にした。

注目すべきは、すべての操作が室温下で、既に研究室で利用可能なレーザーパルスを用いて行われた点だ。科学者たちはまた、技術の実用化にとって極めて重要なパラメータである、情報が劣化するまでの安定持続時間も測定した。

商業応用はまだ遠く、スケーリングや複雑な光シーケンスの制御といった課題が残されている。しかし、この実験は、光パルスで動作し、飛躍的な性能向上をもたらす可能性のある新世代プロセッサーを創り出す基本原理の実証に成功したと言える。