2026年第1四半期の決算発表後、サムスン電子の関心ははっきりとメモリ事業に向けられ、新戦略の具体像が浮き彫りになった。なかでも第2四半期に次世代HBM4Eメモリのテストを開始する計画が明らかになり、これはAIと高性能コンピューティングの進化に欠かせない一手とみられている。
一方、市況は急激な値上がりを見せている。平均DRAMコストは前年比90%以上も跳ね上がり、NANDフラッシュもほぼ同じ経過をたどっている。この高騰の背景には、主要各社がAIインフラ投資を急ぎ、早めに部品供給を押さえようとする動きがあり、製造能力の奪い合いが激化している実態が透ける。
サムスンは2026年のHBMメモリ売上高が3倍に跳ね上がると見込んでいる。しかも第3四半期までに、その半分以上が新世代HBM4による収入に切り替わる試算だ。この数字からは、大量データ処理や機械学習向けソリューションへ舵を切るという、より大きな流れが読み取れる。
生産面の拡充も忘れてはいない。今年下半期には、モバイル向け第2世代2nmプロセスを立ち上げるほか、AI専用チップを含む4nmソリューションの開発も続ける方針だ。米国ではテイラー工場の計画が具体的に動き始めており、2027年の量産開始をにらんで生産能力を引き上げている最中だ。
また、サムスンは高級製品や次世代ディスプレイ技術にも積極的で、8.6世代IT OLEDパネルの量産に入っている。部品価格の高騰と競争の厳しさが増すなか、技術力と生産規模の両面で優位に立ち、市場地位を固めようとする姿勢が鮮明だ。