Googleは、Android向けに「なりすまし電話検出」機能を発表した。これは、知人を装う詐欺師からの電話を防ぐための機能で、業界初としている。着信が本当の連絡先の端末から発信されているのか、それとも詐欺師が番号や声を偽装しているのかを検証できるという。
AIによる音声クローンの進化で、この問題はより深刻化している。詐欺師は発信者番号を偽装するだけでなく、親戚や上司など信頼できる相手の声をそっくり真似ることも可能だ。画面に「お母さん」と表示され、説得力のある声で緊急の送金を求められるケースもある。インターポールによれば、個人情報詐欺は全世界で数千億ドル規模の損失を生む主要因であり、米国でもFTCに寄せられる苦情の上位を占める。
新システムは、通話の両方がGoogleの電話アプリ「Phone by Google」を使っている場合に機能する。既知の番号への通話時、発信元の端末が受信側の電話に確認信号を送信。この信号により、通話が本物の端末から発信されていることが証明される。仕組みはRCSのエンドツーエンド暗号化を利用し、ユーザーの操作なしにバックグラウンドで動作する。
詐欺師が番号を偽装してもこの信号を送れない場合、受信側の端末が不一致を検知し、実際の連絡先の端末に確認を求める。その端末が通話を発信していないと確認されると、電話を切るよう警告が表示される。Googleは、偽の声に騙される前にリアルタイムで攻撃を阻止する狙いだ。
この機能はデフォルトで有効だが、Phone by Googleの設定で無効にできる。今月から全世界で展開が始まり、最初に対応するのはAndroid 12以降を搭載したGoogle Pixel端末。Phone by Googleは多くのAndroid端末で標準ダイヤラとしてプリインストールされているため、この機能は幅広いユーザーに迅速に広がる可能性がある。
Googleは、この技術がオープンなRCS標準に基づいており、特定のエコシステムに限定されるものではないと強調。他のアプリ開発者や端末メーカーも将来採用できるようにすることで、Android全体の電話詐欺対策を強化する考えだ。確認なしに電話の声を信頼できない時代だからこそ、この取り組みは重要だと言える。