Thunderbolt 5とOCuLinkを両立するeGPUドック、AOOSTAR EG02の特徴と魅力

コンパクトなAOOSTAR EG02が市場に姿を見せ、強力なeGPU環境を組みたい層の視線をさらった。価格は219ドル。外付けGPUドックとしては先端機能を詰め込み、Thunderbolt 5とOCuLinkを両立させた珍しい構成で、将来のアップグレードまで見据えた仕上がりだと感じる。

OCuLinkは、ケーブル越しにPCIe 4.0 x4をそのまま引き出す、最もダイレクトなグラフィックスカード接続手段だ。一方でThunderbolt 5は帯域こそ肩を並べるものの、DisplayPort Alt Modeなど複数のプロトコルも担うぶん、実際のパフォーマンスが伸び悩む場面もある。EG02は両規格に対応しつつ下位互換も確保しており、OCuLinkへの移行が進むハンドヘルドから、旧世代のミニPCまで幅広くかみ合うのが心強い。

ドック内部にはデスクトップ向けGPU用のフルサイズPCIe 4.0 x4スロットを搭載。メインのOCuLink端子はPCIe直結の経路を提供し、Thunderbolt 5はデータ伝送に加えて接続機器へ最大140Wの給電が可能だ。さらに下流用の第2のThunderbolt 5ポートも備え、27W給電とDisplayPort Alt Modeによる映像出力に対応する。

機能だけでなく、使い勝手への配慮も目に留まる。ATXとSFXの両電源ユニットに対応し、同じユニットからミニPCへ電力を送る専用出力も用意。小型PCをドック上にそのまま載せられる構造で、配線の本数を抑えつつ設置をすっきりまとめられる。

eGPUの選択肢が増える中、EG02は最安ではないものの、このクラスで屈指の完成度を誇る一台として存在感を示す。汎用性の高さと今後の規格への目配せが、対価を払う理由になっているようだ。