HMDが初のノートPCに挑む:Chromebook Book CS-1 Flipの噂と狙い

かつてノキアの携帯事業を担い、その後は自社スマホやタブレットへ舵を切ったHMDが、いよいよPC領域に踏み込む構えだ。情報通の@smashx_60によれば、同社はHMD Book CS-1 Flipという端末を開発中。初のノートPCであり、同時にコンバーチブル型のChromebookになるという。名称の“Flip”は、回転式ヒンジとタッチ対応を示唆しており、ASUSのChromebook Flipなど2-in-1勢と真正面から競う形になりそうだ。

ここ数年、HMDはシンプルなフィーチャーフォンからAndroidタブレット、アクセサリーまで領域をじわりと広げてきた。ただ、フル機能のノートPCとなると話は別で、これは同社にとって新章と言える。かつて“Nokia”の名を冠したノートは存在したが、いずれもライセンス提供を受けた外部企業の製造で、その会社はすでに姿を消している。今回はHMD自身のブランドでPC市場に名乗りを上げる格好で、流れとしても自然に見える。

仕様

現時点で詳細は乏しいが、リークによるとCS-1 FlipはIntelプロセッサを搭載する見込みだ。この選択は目を引く。というのも、廉価帯のChromebookはMediaTekのKompanioなどARM系チップを採る例が多いからだ。画面サイズや具体的なCPU、メモリ構成、ストレージのバリエーション、価格帯は伏せられたまま。初のノートをどの層にぶつけるのかも見えていない。

とはいえ、正式な製品名が出てきたこと自体、計画が初期の噂段階を抜けつつあるサインとも受け取れる。実在するなら、Nokiaの名に頼り切らない体制へと舵を切ったHMDにとって象徴的な一歩になるはずだ。正式発表もそう遠くないのかもしれない。PCの世界で“HMD”という名前がどれほど通用するのか、それを静かに測る機会にもなり得る。