Imagination DXD採用の5nm GPU「Fuxi A0」登場、実機デモでレイトレーシング確認

中国のXiang Dixianが、Imaginationの新しいDXDアーキテクチャを採用し、5nmプロセスで製造される次世代グラフィックスカード Fuxi A0 を発表した。ICCAD Expoでのお披露目は自信を感じさせるもので、GPUは会場で初の公開デモを行い、レイトレーシングと自社の超解像アルゴリズムへの対応を実動で示した。

DXDはイマジネーション・テクノロジーズの中でも最先端の設計のひとつで、デスクトップ級のグラフィックス解決策と肩を並べる位置づけだ。他の中国メーカーの製品でもすでに採用が進んでいるが、Fuxi A0はシリーズ製品としては初の次世代カードとなり、従来機より描画速度が明確に向上したという。同社によれば、ハードウェアのレイトレーシングブロックとディテールを底上げするアルゴリズムを活用することで、複雑な3Dシーンやデジタルツインのデモにも対応できる。

これまでの報道では、FuxiはA0とB0の2系統が用意される見込みとされてきた。今回披露されたA0は可視化やゲーム向けで、B0には混在ワークロードに向けFP8に対応したNPUが統合される予定だ。想定性能は160 TFLOPS、ビデオメモリは12GB。モックアップの印象では、基板は2スロット厚で2連ファンのクーラーを採用し、DRAMスロットは4基に見える。ただし、正確な構成はまだ確定していない。

ブースでは、Black Myth: WukongのレイトレーシングシーンがFuxi A0上で約35fpsで動作。開発初期ながら、このアーキテクチャがすでに機能していることを示す、説得力のあるデモだった。Xiang Dixianは、ImaginationベースのGPUとしてXDX 121や151、さらにはワークステーションやサーバー向けソリューションの開発経験も持つ。Fuxi A0は、その延長線上にある最も先進的な製品になりそうだ。

量産は来年開始の予定で、近い将来の市場投入へ向けた道筋が整いつつある。