Infinixとピニンファリーナの協業で生まれるNOTE 60 Ultraのデザイン哲学

InfinixはBusiness of Design Week 2025で、名門イタリアン・デザインハウスのピニンファリーナとの協業を発表し、来場者を驚かせた。世界の自動車史に残る名車の造形で知られる同スタジオが、約1世紀にわたるノウハウをスマートフォンに初めて持ち込む。幕開けとなるのは次期フラッグシップ「Infinix NOTE 60 Ultra」。ブランドの新しい美学に方向性を与える存在を目指す。

このパートナーシップは、プレミアム領域への攻勢をかけるInfinixの狙いと、ピニンファリーナが得意とする流麗なラインや情感、静かなエレガンスという造形言語を重ね合わせる。イタリアのアトリエにとってスマートフォンは新しい対象だが、クルマやラグジュアリー製品と同じ厳密さで臨むという。手にする端末は日々の生活に寄り添う道具であり、使い心地の良さだけでなく、真に美しくあるべきだと捉えている。

東南アジアでの人気上昇と出荷の記録的な伸びを追い風に、Infinixはビジュアル・アイデンティティの大幅刷新を準備中だ。経営陣は、ピニンファリーナとの協業を話題づくりの一発勝負ではなく、長期的な戦略として位置づける。この新しいデザイン哲学をまとった最初の端末がNOTE 60 Ultraで、やがてフラッグシップ群へと広がっていく見通しだ。

技術的な詳細はまだ伏せられているものの、狙いは明快だ。Infinixは、イタリア流のプロポーションとバランス感覚に導かれ、よりプレミアムなイメージへ舵を切る。NOTE 60 Ultraの全容発表は後日に控えるが、現時点では関心を高め、2026年に際立つ一台になり得ることをほのめかす段階にある。市場でさらなる高みを目指す同社にとって、自然な次の一手に思える。