Xteink X4の特徴と使い勝手: MagSafe対応の小型eインクリーダー

Xteink X4が発売された。これは珍しくコンパクトなeインクリーダーで、単体で使えるほか、MagSafe対応のiPhoneなど互換スマートフォンにマグネットで装着して使うこともできる。メーカーは、従来型の電子書籍リーダーの完全な代替というより、短い読書や必須情報へのクイックアクセスに適した「ポケットサイズのeインク表示機」として位置づけており、この割り切りが狙いを明確にしている。

本体は実際に小さい。サイズは114×69×5.9mm、重さはわずか74g。一般的なモバイル向けプロセッサの代わりに、DIYやメイカー界隈でよく知られるESP32を採用する。コンテンツは32GBのmicroSDカードに保存でき、Wi‑FiとBluetoothでファイル転送が可能だ。650mAhのバッテリーは数値だけ見れば控えめだが、1〜3時間の毎日使用で最大14日持つとされ、外での“ちょい使い”には十分に感じられる。

ディスプレイは4.3インチで、画素密度は220ppi。移動中に読む記事やメモなど短文向きのサイズだ。一度に表示できる行数は多くないため、6インチクラスのリーダーよりページ送りは増える。それでも、このコンパクトさこそが価値で、情報カードのように手に収まり、搭乗券やQRコード、会員証、カレンダーをさっと呼び出せる。スマホの消費電力の大きいOLEDを点灯させずに済むのも理にかなっている。

対応するのはePUB、プレーンテキスト、BMPとJPGの画像。タッチ操作には対応せず、側面ボタンでナビゲーションとページ送りを行う。シンプルな構成だが、日頃タッチに慣れている人は最初に少し慣れが必要だろう。

総じてXteink X4は、ニッチだが実用的なガジェットという印象だ。ポケットに収まるeインク画面がいつでも手元にあり、スマホにカチッと装着でき、1画面で完結する用途ではデジタル名刺のような役割もこなす。