PlugOS搭載のUSB-CミニPC『PlugMate』が登場—iPhoneやPCで安全なAndroidを持ち運ぶ

TrustKernelは、Androidを基盤にしたセキュリティ重視のOS「PlugOS」を正式発表した。対応ハードのために設計されたこのOSは、同社の新デバイス「PlugMate」に最適化されている。PlugMateはUSB‑C接続のフラッシュドライブサイズのミニコンピューターで、iPhoneやiPad、Mac、Windows PC、Androidスマートフォンといった対応ホスト上で、フル機能のAndroid環境をそのまま動かせる。

PlugMateはスタンドアロンのAndroidコンピューターとして動作し、処理はすべて本体側で完結する。接続先のホストは電源供給と入出力のやり取りだけを担い、ユーザーデータは端末内にとどまる。より小型になったIntel Compute Stickのようなイメージだが、あくまで主役はセキュリティ。発想自体は新しくないものの、狙いはずっと明確だ。

TrustKernelは強固なデータ保護を前面に押し出す。PlugOSはハードウェアベースのフルディスク暗号化や起動前認証、さらに不正アクセスの試行時にデータを消去する複数の自己ワイプ機能を備える。想定するユーザーは、機密情報を扱うために物理的に分離された作業環境を必要とする人たちだ。方針は明快――隔離し、暗号化し、ホスト側との距離を保つ。

スティックはiPhone、iPad、Mac、Android、Windowsに接続できる。名称非公開の8コアチップに加え、4GBメモリと128GBストレージを搭載し、プライバシー強化のために仮想化されたセンサーを採用する。Androidアプリは基本的に自由に導入できるが、ハードウェアがコンパクトであるぶん、重量級のソフトは制約が出る場面もあるだろう。携帯性と主導権を手元に置くための、妥当なトレードオフと言える。

価格は299ドルで、現在は199ドルのプロモーション中だ。より制約の少ない近い体験を求めるなら、メーカーはGrapheneOSのような堅牢化カスタムROMを導入した手頃なAndroidスマートフォンという選択肢も検討に値すると示している。製品の守備範囲と、より伝統的なアプローチの現実性を率直に認めた提案でもある。