AI Playgroundが示すインテルArc 32GB版Big Battlemageの可能性

インテルが、思わぬ形でメモリ32GBの新型Arcグラフィックスカードを示唆したようだ。手がかりは、同社のAIツール「AI Playground」最新版（v3.0.0）のユーザーガイドにある。Arcグラフィックスと、Xe3アーキテクチャを採用する次世代のPanther Lakeプロセッサに合わせて調整された社内製ツールの資料に、その痕跡が見つかった。

この発見を指摘したのはエンスージアストのHaze2K1。ガイドには、32GBのVRAMを搭載した未公表のArc GPUで画像生成を行った例が掲載されている。ここが目を引く。現行のArc A系、B系ラインアップに、単一GPUで32GBというモデルは存在しないからだ。現時点での上限はプロ向けArc Pro B60の24GBで、48GBはデュアルチップ構成に限られている。

そこで浮上するのが、BMG-G31チップを用いたフラッグシップ、通称「Big Battlemage」だ。256ビットのメモリバスが想定され、16GBと32GBの両バリエーションが成り立つ計算になる。コンシューマー向けは16GBに落ち着き、プロ用途や特別版で32GBを用意する—そんな線なら、競合の最上位クラスとも正面から渡り合える。スペック表のうえでは、符合が多い。

とはいえ、より現実的な説明もある。インテルのドライバーは共有メモリの割り当てをサポートしており、GPUがシステムRAMを利用できる。理屈のうえでは、大容量メモリを積むPanther Lake搭載ノートで、32GBをグラフィックスに割り当てた例だった可能性も否定できない。ただ、最近のソフトウェア更新でBMG-G31への対応が活発化しているのを見ると、Arcファミリーの大規模な刷新が着々と進んでいる気配も濃い。断片は、ひとつの絵としてつながりつつある。

もし今回の流出が実機のBig Battlemageに由来するのなら、正式なお披露目は2026年初頭、会場はCESという展開が考えられる。年前半にインテルの大型GPUリリースが予定されていないことを踏まえると、当面の主役をBattlemageに据える判断は、舞台設定としても理にかなっている。