Android Auto 15.9が配信開始:ウィジェット復活とGemini AI移行の土台に

Googleは、Android Autoのバージョン15.9の段階的な配信を開始した。2025年の最後のアップデートになる可能性が高い。すでにGoogle Playストアで公開されており、例によって数週間かけて全ユーザーに広がっていく見通しだ。

注目すべきは、15.9がパブリックβを経ず、いきなり安定版として届けられた点だ。準備万端であることを物語る。Googleは公式の変更履歴を出しておらず、見た目の変更も今のところ見当たらない。それでも、このバージョンは2026年に向けた大きな機能の土台づくりになっている。

方向性のひとつがウィジェットの復活。Apple CarPlayのように別画面へ分けるのではなく、GoogleはCoolwalkインターフェースの中に直接織り込む考えだ。テスト版では天気やカレンダーのウィジェットが確認されており、サードパーティ製アプリの対応も後から加わる見込みと見られている。

もうひとつの戦略は、Gemini AIアシスタントへの段階的な移行だ。最終的にはGoogleアシスタントを置き換える。狙いは、より自然な音声操作、幅広い検索、賢いナビゲーション。Geminiの機能は2026年初頭により広く展開される見込みだ。

表向きにはAndroid Auto 15.9は控えめだが、こうした静かな更新こそ大きな変化の前触れになりがち。パーソナライゼーションと人工知能を軸にした新しい段階へ、Googleが着実に備えを進めていることがうかがえる。