サムスン、テキサスで2nm GAAへ本格移行—TSMCに迫る米国製造と量産計画

サムスンが米国での製造戦略を大幅に組み替え、世界の半導体競争での足場を固めにかかっている。4nmプロセスの計画を取り下げ、より先鋭的な2nmのGAAノードへ切り替える方針だ。業界トップのTSMCとの距離を一気に詰める一手になり得る。中核を担うのはテキサス州テイラーの工場。高密度設計に不可欠なEUVリソグラフィ装置はすでに整備済みだ。

当初この拠点は4nmの量産を担う予定だったが、舵は切られた。技術的なハードルを承知のうえで、サムスンは2nmチップの量産化を最優先に据える。生産規模も引き上げる。月産2万枚の立ち上げから5万枚へ、将来的には10万枚まで拡張し得る計画で、テキサス工場を同社の中核拠点の一つに押し上げる目算だ。

新ノードの初号チップはExynos 2600になる見込みだ。初期の歩留まりは決して高くなかったものの、改善が進み、現実味は増している。同時に、次版となるSF2P+の開発も加速中で、今後数年以内に姿を見せる可能性がある。中間段階を飛ばして最先端で競合に並びかける—そんな意図が透けて見える。

追い風はテスラとの大型契約でも強まった。総額約165億ドル規模で、自動運転システム向けのAI6チップをサムスンが製造するというものだ。さらに、暗号資産向けハードウェア分野の中国企業からの受注もある。ただし、その一部は米国外で履行される見込みだ。

総合すると、サムスンはTSMCに追いつくだけでなく、先端プロセスで正面から競り合う構えを見せている。いまの歩みを維持できれば、米国工場は同社の世界戦略の要となり、今後数年で半導体の勢力図に小さくない変化をもたらすかもしれない。