アルファベットが時価総額でアップルを逆転、AI統合が追い風

数年ぶりに、テクノロジーの頂点が入れ替わった。ウォール街の関心がスマートフォンから人工知能へと傾くなか、アップルは“最も価値あるテック企業”の称号を主要ライバルに明け渡し、グーグルの親会社アルファベットが時価総額で再び一歩先行した。

2026年1月7日の取引終了時点で、アップルの時価総額はここ数日で株価が4%超下落した影響もあり3.84兆ドルに低下。一方のアルファベットは逆に上昇基調で3.88兆ドルに到達した。アルファベットがアップルを上回るのは2019年以来のことで、当時は一時的に主導権が入れ替わったものの、すぐに元に戻っている。今回の差は小さいが、潮目の変化を映すには十分だ。

上昇の原動力は、アルファベットに限らずテック全体でAIだ。AIの急伸を経て、投資家は計算資源や自動化で収益化の余地が大きい企業を改めて評価し直した。この流れは、かつてエヌビディアを一気に主役へと押し上げたが、今はグーグルも追い風を受けている。グーグルは「エージェンティックAI」と呼ばれる、自律的に複雑なタスクを計画し実行できるシステムの開発を積極化している。

強みは、AIを製品に深く織り込むアプローチにある。Chromeは、ユーザーが逐一操作しなくても、チケットの手配や買い物、情報の収集をスプレッドシートにまとめるといった作業までこなす“気が利くブラウザー”へと進化しつつある。AIの次の段階が「答え」より「行動」で競われるなら、この統合度の高さはアルファベットに確かな優位をもたらす。

対照的に、アップルには懐疑の目が向けられている。Apple Intelligenceは期待に届かず、エージェント機能を備えたSiriの刷新も先送りになった。AIサービスでもARデバイスでも、真にブレークスルーと呼べる成果を示せない限り、同社の株式が市場の“基準点”としての地位を取り戻すのは難しい、という見方が当面は勝っている。巻き返しの道筋をどう描くかが、次の決め手になる。