メモリ市場で値上げ加速:PowertechやChipMOSが30%引き上げ、AI需要でDRAM・HBM・DDR5のテスト/パッケージング逼迫
DRAMやDDR5・HBMのテスト/パッケージング費が急騰。Powertech、ChipMOS、Waltonが30%値上げし、AI需要で供給逼迫。PC市場や素材価格への波及、2028年まで続く見通しを解説。データセンターから一般ユーザーまで影響、第二弾値上げの可能性や価格動向、安定化が遠のく理由を具体例とともに解説。
DRAMやDDR5・HBMのテスト/パッケージング費が急騰。Powertech、ChipMOS、Waltonが30%値上げし、AI需要で供給逼迫。PC市場や素材価格への波及、2028年まで続く見通しを解説。データセンターから一般ユーザーまで影響、第二弾値上げの可能性や価格動向、安定化が遠のく理由を具体例とともに解説。
© A. Krivonosov
メモリ市場の価格上昇が急ピッチで進み、需給の締まりは始まったばかりという様相だ。DRAMチップそのものの値上げに加え、パッケージングやテストのコストも急騰している。台湾筋によれば、Powertech、ChipMOS、Waltonが価格を30%引き上げ、早くも第二弾の値上げが迫っているという。
これらの企業は、出荷前の最終工程を担う。具体的には、DDR4、DDR5、HBMモジュールのテスト、検証、パッケージングだ。MicronやWinbondなどのメーカーが出荷を増やすなか、こうしたサービスの需要が一気に膨らんだ。とりわけ、最も複雑で高価なメモリに依存するAI志向の企業からの圧力が強い。
象徴的なのがPowertechである。Micronが社内キャパシティを再配分した結果、DDR5やモバイル向けグラフィックスメモリを含む一部の上位工程がパートナーに移った。このシフトでPowertechの高付加価値案件の比率が上がり、ライン稼働はフル稼働に近づいた。ただ、需要の雪崩はサプライチェーン全体での価格の付け替えを促し、現場の価格感覚そのものが更新されつつある。
パッケージングとテストの専業は台湾に集中しているが、中国でも熱気は高い。ニッチなメモリを手がける華東地域でも、工場稼働率の顕著な上昇が報告されている。業界関係者は、前例のないAI需要を追い風に市場が本格的なスーパーサイクルに入ったとの見方で、その波は2028年まで続く可能性があるとしている。
実務面では、値上げの波はデータセンターにとどまらず、一般ユーザーにも及びそうだ。品薄とメモリのコスト高はすでにPC市場を圧迫し、部品のみならずアルミや銅といった関連素材の価格まで押し上げている。専門家が2026年の安定化を見込めないとするなか、このペースでは当面、落ち着きそうにない。